<パスワーク・ヴァーチャル国際会議より、ドノヴァン・テセンガさんのお話 part1>
今月のブログは、昨年のバーチャル国際会議で配信された、ドノヴァン・テセンガさんのトーク動画より内容を要約してシェアさせていただきます。
ドノヴァンは、日本でも出版された「防御なき自己」の著者スーザン・テセンガさんのご主人であり、世界に広がるパスワークコミュニティーの成長を理事として長年支えられた方です。
小鳥さえずるセブンオークスの心地良さそうな林の中、スーザンと並んで座り、笑いあり涙ありの思い出話をされています。
お話の内容は、パスワークの創始者であるエヴァ・ピエラコスと、エヴァのパートナーであったジョン・ピエラコスとの思い出です。ジョンとエヴァに対する、ドノヴァンの愛と感謝がカジュアルに表現されており、見ている私も一緒に泣いたり、思わず吹き出したりしていました。
見る者を引き込む豊かな感情と、心に染み入る生命に対する愛と感謝、ドノヴァンのエッセンスが文章でお伝えできたら幸いです。
当時、ニューヨーク州マンハッタンに住んでいたドノヴァンは、自己成長を求めてカリフォルニア州エサレン研究所に何度か通っていました。
個人的なセラピーが必要だと感じ、ニューヨークに良いセラピストがいないか仲間に尋ねたところ、誰もが最高のセラピストとして、ジョン・ピエラコスの名前をあげました。
何度もオフィスに電話し、ようやくセッションの予約がとれ、パークアヴェニューの素敵なオフィスを訪ねました。問診から始まるつもりでオフィスに入った早々、パンツ以外全部服を脱げと言われたそうです。
パンツ一丁になって、妙なポーズになったり、動きのエクササイズをさせられたり、ベンチに仰向けに胸を逸らせたまま大きく呼吸をさせられたり、ベッドをテニスラケットで殴らされたり。
「これ何?どういうこと?サイコセラピーじゃないよね?ってなったよ。フロイト的な話す治療なんかじゃないし、そもそも殆ど何にも話してない。とにかくえらく驚いたよね。(笑)」それが45分程続き、「ほう〜これがバイオエナジェティックスというものか」と思ったそうです。
「最後にジョンから『さて、君は殺人者だね』と言われたよ。『何ですって?』って聞き返したよね。(爆笑)」そこから、頭に浮かんだこともない、自分にとって非常に大事なことを40分ほど説明してもらいました。「本当に!?って。いや〜息をのんだね。」
ジョンのバイタリティー、その勢いが、ドノヴァンの語り口調から伝わってきます。笑いを含んだ楽しげな興奮が、当時の出会いのワクワク感を伝えてくれます。
定期的なセッションを受けるようになってからも、ジョンは聞きたいことがあれば質問するからと、問診的なことは全くしない人でした。マインドの働きが強くて感情を抑圧しがちなドノヴァンには最適のセラピストだったそうです。
楽しげにセッションの様子を語っていく内に、その出会いの興奮が次第に穏やかに思い出に溶けていき、ドノヴァンは目を閉じて言葉を詰まらせました。
「今も思い出す。ピッタリの人を見つけたものだと。(涙)」
時間にすると非常に短い話の間で起こった自然で強い感情の動きの幅に、見ている私までもらい泣きでした。
「ジョンは、僕のことを見て、僕の潜在性を見てとり、僕を勇気づけてくれた、生きている人間としては初めての人だった。本当の父親よりも良い父親だった。彼に会えたのは、本当に神の祝福。勿論欠点もあったよ。だらしなかったし、セッションを忘れられて反応することもよくあったし、こちらの話は全然聞いてくれなかったしね。」
「ジョンの葬儀の時、誰かが彼を一言で言うと「時間を無駄にしない人」と言っていた。彼は無駄話をしたりしないんだ。天気の話や、最近どう?なんてことで時間を無駄にしない。彼はすぐさまハートに来る。」
6ヶ月後、ドノヴァンはアプレンティス(見習い)になりました。
ジョンの元で学ぶというのは、すぐさま実践に飛び込むことでした。ジョンは何の予備知識もないドノヴァンに、ワークショップの参加者を任せて個別にワークさせたりしたそうです。ドノヴァンは、実際に起こること全てから学んでいきました。
「自分の直感に整合して、その人に対して自分がどのように反応するのか見て、自分がどうやってその人をサポートするのかを見てみること。」
それから、ジョンとアレクサンダー・ローエンが提供するセラピスト養成コースに入りました。実際には、有資格者の養成課程だったようですが、ドノヴァンの自薦で、ジョンはオッケーを出したそうです。僕は政治学専攻だったんだけどねと言って、ドノヴァンは大爆笑していました。
「全く普通ではない創造的な天才の導きで、全く新しい世界が僕の前に開いていった。」
暫くすると、ジョンがスピリットの世界のメッセージをチャネルするサイキックの女性とデートしているという話を聞くようになったそうです。「何それ?なんのメッセージだって?」と繰り返し、ドノヴァンはまたもや爆笑していました。
はじめてエヴァのチャネリングに行った時、中央ヨーロッパのアクセントで話す中年女性たちが大勢いる広いアパートの一室でレクチャーのチャネリングを聞いたそうです。その時、レクチャーは好きだったがそこまで入れ込む気分にはならなりませんでした。
その後、夫婦でヴァージニアに移住し、そこを拠点に人々にワークを提供するようになりました。
しかし、ニューヨークが学びの場であることは変わらず、スーザンを連れて定期的にニューヨークを訪ねていたそうです。
そんな折、スーザンがエヴァに出会いました。スーザンはすぐさまエヴァに恋をして、ドノヴァンとスーザンは、パスワークコミュニティーに参加するようになりました。
ここから、お話はエヴァとの思い出に移っていきます。素晴らしい内容なのですが、長くなり過ぎるので、続きは来月に回します。どうぞお楽しみに!
ドノヴァンは、2006年にセブンオークスとパスワークから引退されています。その後の人生について、彼は自己紹介文にこのように書いています。
「2006年にセブンオークスとパスワークから退職すると、人生の新しい章が開かれ、私は洋服のスーツ(人間としての肉体を意味すると思われます。ここでは社会的な肉体。)を引退させることができました。古い生き方から離れるのには非常に苦労しましたが、まずは翌年の初め、それから再び11ヶ月後に、「目覚め」が突然訪れました。究極の質問への答えに対する私の生涯をかけた切望が実を結んだのです。(バイオの出だしに、「人生とは何なのか?」という究極の問いを子供の頃から持っていたと書いています。)
私の人生はその時に終わっています。ですからここで、この洋服のスーツの履歴書を終わらせるのが良いでしょう。目覚めが後を引き受けており、古い習慣がなかなか死ななかったとしても、成熟し、深まり続けます。」
賢者の穏やかさと、ご自身のワンダー(驚異)に向き合う若々しく生き生きとした情熱と愛。このような人生の先輩に出会えるのは、本当に幸せなことだと個人的に感じました。
動画ですけどね!^^
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