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執筆者の写真pathworker

エヴァ・ピエラコスとの思い出

<パスワーク・ヴァーチャル国際会議より、ドノヴァン・テセンガさんのお話 part2>


3月30日は、パスワークの創始者、エヴァ・ピエラコスのお誕生日です。


今日はエヴァのお誕生日を記念して、国際会議でのドノヴァン・テセンガさんのお話より、エヴァの思い出を要約シェアをさせていただきます。(ジョンとの思い出⇨part1


生まれたばかりのパスワーク・コミュニティーの様子、仲間と共に成長しながら、愛し、愛されていたエヴァの様子も伝わるエピソードです。


少し長い記事ですが、最後までお読みいただければ嬉しいです!




エヴァは、大人しく小さな声で話すようなタイプの女性ではなかったとドノヴァンは形容します。


「彼女は、美味しいものが大好きで、ダンス、スキー、水泳、体を動かすのが好きだったし、洒落たレストランで食事するのも大好き。いつもおしゃれに装っていたし、自分自身をとても楽しんでいた。世馴れて足が地についている女性。だけど、彼女にはチャネルがあったんだ。」


ドノヴァンが再びパスワークの対面レクチャーチャネリングに参加するようになった頃には、ジョン・ピエラコスの紹介で、アカデミックな領域から数多くの若いセラピスト達が集まるようになっていたそうです。(ドノヴァンとパスワークとの出会い⇨part1


当時、ドノヴァンのキャリアは成功していました。彼のワークショップに参加したワシントンポストの記者による見出し記事が出てからは、多くの参加者が殺到するようになっていました。


「僕たちは本当に60年代の善き子供たちだったよね。良い仕事をして、人々の変容を助けることに一生懸命で。本当に、火のように情熱的に伝えた。」

ドノヴァンは、隣のスーザンの腕をパタパタたたきながら、目をつぶって若い頃の自分たちを愛おしそうに語っていました。人生もキャリアも共同創造されてきたことが窺われます。


ドノヴァンは、当時コミュニティーでグループ・ワンと呼ばれていたヘルパーのグループに参加したいとエヴァに直談判しました。

パスワークのトレーニングには全く参加したことがないままでの自薦でしたが、エヴァはガイダンスを求め、結果、ドノヴァンはグループ・ワンに入れたそうです。


「その頃はそんなだったんだよ。5年間もプログラムに参加しなくても良かったって訳。エヴァが入っていいって言う。そんな感じ。(笑)彼女は自分のことをとても信じていた。」


エヴァは毎年、グループ1のメンバーと共に、スイスにスキー旅行に行く習慣があったそうです。ある時、スイスでのチャネリング中に、ドノヴァンはガイドに質問しました。

セブンオークスをパスワークセンターに変えるようにとのコーリングを感じると伝えると、チャネリングしているエヴァはドノヴァンの方にさっと振り向きこう言いました。


「そうです!あなたは正しくメッセージを聴きました。それはあなたがやるべきことであり、物質的レベルでも霊的レベルでも、必要な助けを受け取ることができるでしょう。」

返事に曖昧さが全くないことに衝撃を受け、ドノヴァンとスーザンはセブンオークスをパスワークセンターにしました。


「実際のところ、この世の財産全てを明け渡すというのは、非常に難しいことだったね。」

スーザンが言葉を足します。「唯一の金銭的な財産をね。」

ひとしきり笑ってから、ドノヴァンは続けました。「でもそうなる筈だと分かっていたから、私たちはそうしたね。(涙)」




エヴァの最期の一年間、個人セッションを受けていたのは、ドノヴァンだけでした。それは、こういう事情からでした。


当時、グループ・ワンの中で不和がありました。ビル・ソロモンという大きくハンサムでカリスマ性のある男性ヘルパーと、エヴァが角を付き合わせることが続いていたそうです。

グループ・1のミーティングの中、エヴァがビルに言いました。この状態には無理があるから、エヴァに対してどんな課題があるのか、この問題に集中してワークする為のヘルパーを頼むようにと。


ヘルパーといっても、グループ1そのものがヘルパーの集団なので、ビルは参加者の一人ではあるがニューヨーク在住ではないドノヴァンをヘルパーに選びました。ところが、ビルの奥さんが、ドノヴァンのヘルパーだった為、そんな状態では彼をサポートできないと言ったところ、エヴァがドノヴァンのヘルパーを引き受けたそうです。


その頃、エヴァは数年前に手術した乳がんが再発したところでした。

「彼女は治癒を望み続けていた。」ドノヴァンは、思い出しながら吐息をもらしていました。当時の人々の悲しみが感じられます。


ニューヨークの彼女のアパートをセッションの為に月一回訪ねると、エヴァはいつもベッドの上で沢山の枕に支えられて、背筋を真っ直ぐに座ったままセッションをしてくれたそうです。


この時期、彼女は残された最期の時間で、キリスト意識についてのレクチャーを数多くチャネリングしています。チャネリング初期のレクチャーでは、イエス・キリストについて触れるものが多くありましたが、それ以降何年も、ガイドはキリストについて触れていませんでした。


ここで、イエス・キリストがレクチャーに再登場したことは、多くのユダヤ系のメンバーを含むパスワーク・コミュニティーに大騒ぎを巻き起こしました。


「彼らは『エヴァ!何で急にキリストを引っ張り込むんだ。』と言い出した。『私は誰も引っ張り込んでいない。これは、ガイドが話していること。私が話している訳じゃなくて、ガイドが話しているのよ。口を閉じて、ガイドが喋れないようにする訳にはいかないわ。』とエヴァは言っていた。」


この論争の中、コミュニティーの中核にいたドノヴァンも自分がどう感じるのか自問する必要がありました。その頃には、ドノヴァンのエヴァへの信頼はとても強いものになっていました。


キリストに関するレクチャーからは、非常に感情のこもったパワフルな言葉を感じたそうです。

レクチャーでは、自分自身のローアーセルフをワークするのは非常に厳しいし勇気がいるが、キリストの愛を感じることが助けになると語られていました。


「彼女の言葉には感情がこもっていた。彼女が個人的にそのような体験をしたのではないかと感じて、尋ねてみたいと思った。でも訊けなかった…それは、不適切なことだと何となく感じたから。彼女のことを尊重していたし、不躾に、これはどこから来ているんだなんて訊きたくなかった。私はこう言ったんだ。『私は彼女を信じる。これは本当に、ガイドからきている言葉だと信じる。』」


エヴァが亡くなってから一年後、グループ・ワンのメンバーで追悼スキー旅行をしたそうです。(ちなみに、動画でシェアされた写真には、若き日のバーバラ・ブレナンも写っていました。)

ドノヴァンは、この旅行で個人的にキリスト意識に繋がることを決意しました。けれど、いくら頑張っても何も起こりませんでした。


「何にもなし。ゼロ。『もうやめとけ』って言う声さえ聞こえなかった。だから、ひとまず脇に置いておくことにしたんだ。不可能だとは思わなかったが、今は来ないみたいだから手放そうと思った。」


それから何年も経って、ご夫婦で参加したブラジルのシャーマニック儀式中に、ドノヴァンはキリストと個人的なコンタクトを果たしたそうです。ブラジルがご夫妻にとって、すごく大事な場所だというお話は色んな情報源でよく出てきます。


「そんなこと全く考えてもいなかった時に起こったんだ。そのコンタクトは、パワフルで否定することなんて出来なかった。その経験は、何年も前にエヴァを信じると宣言した時から始まったと僕は思っているよ。確かにそうだって。」




最後に、ドノヴァンは、最も心に触れたエヴァとの体験について話してくれました。


フェニキアのパスワークセンターで、エヴァはグループ1のメンバーに言いました。

「皆さんの前でやりたい個人的なワークがあるの。私がとても恥を感じていることについて。私がこれを打ち明ける間、皆さんに共にいて欲しい。私がこれをワークするのを助けてちょうだい。」


そこで、グループはエヴァを囲んで丸くなりました。彼女は真ん中に立って話し出しました。

「私は片胸しかないことが恥ずかしい。こんな気持ちになるのは、どうかしていると思うんだけど、でも恥ずかしいの。自分に何処かおかしな所があるような気がしてしまう。」


彼女は、数年前の乳がんの手術で、片方の乳房切除を受けていました。

ドノヴァンが言いました。「それから彼女は服を脱いだ。」

スーザンから注釈が入ります。「70年代の話ね。」70年代はそういう時代だったようです。^^


エヴァは切除の傷跡を見せ、「私はこれを恥ずかしく思っている。」と言いました。


エヴァは腕を開いて深く呼吸を続けていました。部屋のエネルギーは高まり、彼女は立ったまま全身が細かく振動していたそうです。ドノヴァンは、それを「古いトラウマを抑圧している筋肉が緩んで、トラウマを感じて手放す時に起こる、コントロールできない細かい震え」と表現していました。


「爪先から頭まで全身で震えたまま、エヴァは泣きながら微笑んでいた。すごく、すごくパワフルだった(泣)」感情が高まり、しばらく言葉が詰まります。


ちょうど前に立っていたドノヴァンにエヴァは手を伸ばし、ドノヴァンはエヴァと優しくハグしたそうです。ドノヴァンは目をつぶったまま、ゆっくりと語ります。

「僕は、彼女がやっているそのことに満たされるように感じた。どんなに彼女に勇気があるのか、どんなに十全に彼女がそれをやっていたのかも感じた。僕もその場に立ちながら、彼女と一緒に振動していた。」


「どんな新しい教えも、誰もが尊敬する先生のような創始者がいる。けれど、その創始者がそのフォロワーの前で、物理的のみならず感情的にも服を脱ぎ、「これが皆んなに見せたい私の弱さです。友達の皆んなにこれをシェアして、弱さと恥の感情を手放そうと思っている。皆んなが、私を尊重して愛してくれることを信頼している。」そんな創始者はすごく珍しい。すごく印象深かった。すごく。」


ドノヴァンは胸に手を当てたまま、目をつぶり、深い感情の中にいました。「ちょっと時間とるね」と言ったまま、動画は終わりました。




「パスワークを生きる」というフレーズを良く聞きますが、年季の入ったシニアヘルパーのお話を聞くと、本当に彼らが生きて来たパス(道)が見えてくるような感覚を味わいます。


その鮮やかさが不可能ではないと教えてくださる先生方、エヴァ、そしてガイドとの出会いに感謝です!



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